「みことばの宅配便」 Daily Manna

あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯。詩篇119:105

2015年04月14日
「パンの奇跡」

:≪第一日課≫使徒4:32-35(新220)*≪今日の聖句≫使徒4:32 
信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた。

・今日、世界の1%が支配する強欲資本主義の世界では考えられないようなコミューンが原始キリスト教共同体において存在した。その共同体はキリスト教が国家宗教となる過程で崩壊していったが、その理想は人類の祝福の基、そして人類の集合無意識の元型として、いつまでも存在する。

・その理想に向かって歩む人類の根源的欲求に叶う人々が大勢いる。その社会的プロセスを描く経済学者として、さきごろ亡くなられた宇沢弘文氏がいる。ブックレットとして『経済に人間らしさを:社会的共通資本と協同セクター』の中で氏はカトリック教会から依頼を受けて回勅「レールム・ノヴァルム」の作成のお手伝いをしたことが書かれてある。1891年に出された同名の回勅の副題は「資本主義の弊害と社会主義の幻想」だったが、100年後に出された回勅の副題は「社会主義の弊害と資本主義の幻想」とされた。人類がますます所有と支配欲の中で幻想と弊害に陥っているのがこの100年だったということで、宇沢氏はそれに対して、社会の共有性を強調し、経済をその方向へ発展させる知恵を雄々しく語っておられる。

・所有欲を克服して分かち合う「パンの奇跡」が起こるためには、神の復活の出来事が不可欠だ。私たち皆が一人ひとり、神において結び合っていることを意識し、所有と支配万能の世界観に打ち勝つためには、人間の業では及ばない。神の業である復活が必要だった。復活は世の終わりに向かって進む世界を導く原動力である。

◇「みことばの宅配便」は、御国への巡礼を共に歩む神の民に
主日聖句から日ごとの糧を分かつ祭司の務めとして発行されています。

月曜日:≪第一日課≫、火曜日:≪賛美頌≫、水曜日:≪ニケヤ信条解説≫、木曜日:
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