プロジェクトS 第13章
「裸の島」と新藤監督   堀本 逸子

 平成15年8月13日 素晴らしい企画のもと 宿祢島の対岸で
「裸の島」の上映会とロケ現場の宿祢島の散策に参加させて戴きました。
北は,北海道 南は,大分の各地から来られた方々との楽しかった交流が懐かしく
思い出されます。忘れられないのは 皆で囲んだ漁れたばかりの新鮮な海の幸の味。
〜満天の星空を仰ぎながら〜瀬戸内海の潮風に吹かれながら〜静かな波の音に
耳を傾けながら〜「裸の島」の前で「裸の島」の映画を見る風情〜
 このロマンチックな情影があいにくの雨で屋内に変更になった事が少し残念でしたが
素晴らしい企画であったと思います。当時お世話になった方々に感謝しております。
ありがとうございました。

 平成18年4月4日〜5月28日の間 新藤兼人監督の映画祭が東京の
国立近代美術館フィルムセンターで開かれました。
 5月27日には,94才 現役世界一の新藤監督の講演も聴く事が出来ました。
「厳しい独立プロの危機を乗り越えられたのは『裸の島」がモスクワ国際映画祭で
グランプリを受賞し世界各国で認められ 多数の賞を受賞し 多額の興行収入が
入ったおかげ」と述べられました。
 この映画のテーマは,『毎日毎日乾いた土地にひたすら水をかけ続ける事〜これは、
乾いた人間の心に水を与える事だ」との事です。
東京の講演では 矍鑠(かくしゃく)とした口調で語られ『今年は,広島で映画を撮りたい」
と語っておられました。
 
 94才の先生の『仕事への情熱」『生きている限り生き抜きたいという姿勢」そして
「夢を実現に向けて頑張っておられるお姿」「家族を大切にし 親子三代 現役で
同じ仕事に携わっておられる姿・・・」私は
,先生のこの様な生き方に
心から感銘し 尊敬し 人生の師としております。

 平成15年2月 東京で行われた文化勲章受賞祝賀会に招待され 出席した時も
いろんな有名人から先生のエピソードを聴かせてもらいました。


 映画会の巨匠 人生の大先輩から今後も多くの事を学びたいと思っております。
いつまでも お元気でお過ごしになられますよう心からお祈りしております。

 「裸の島」の上映会を懐かしみながら 最近思った事を書かせて戴きました。

                         2006 6・3 堀本 逸子