使徒信条解説


9: 我はそのひとり子、我らの主イエス・キリストを信ずB


「主は聖霊によって宿り」

「聖霊による宿り」

*イエス・キリストの出来事は神の独占的主導性による。そこには人間の関与はない。それを表すために、「聖霊によって」がまず最初に来る。イエス・キリストの出来事は、時が満ちた時にくだされた救いの出来事である。天の使いの受胎告知に際して、マリアは人間の一人としては驚くばかりである。だがその中でも、神の民の「貧しい人」の伝統に生きるマリアは最終的に「御心に従う」。その従順は「はい、御心がなりますように」の応答であり、それが救いのために不可欠に必要であった。その意味で「信仰」が必要だった。

*「宿る」は、ヨハネ1:14「言は肉となって、わたしたちの間に”宿られた"」から来る。神の言が人間世界に幕屋を張る。イスラエルの荒野の時代に旅する共同体の中心に張られた天幕に神の霊が降りてきて、モーセに御心が告げられたように、それにも勝って、イエス・キリストという地上の幕屋において、「わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。」




戻る
前へ
次へ