使徒信条解説


10: 我はそのひとり子、我らの主イエス・キリストを信ずC


「乙女マリアより生まれ」@

*「乙女マリアより生まれ」たイエス・キリストについて、ルカ福音書1章の「受胎告知」から学ぼう。この信仰告白にお伽話のように荒唐無稽な話として躓くべきではない。ここで私たちは地上的現実を超越した天の介在を学ぶのである。これは救いの物語であり、天の介在なしには地上の救いはない。福音の物語は最初から最後まで天と地を結ぶ物語である。そのことに音痴であるかぎり、福音の言葉は魂に届かない。

*神の子イエス・キリストの誕生を告げる務めは天使長ガブリエルの仕事であった。天使は天と地を昇り降りして地上に神のみ心を伝える奉仕をなす。そのために時に人の思いを超えた驚くべき知らせを伝える。メシアの誕生を告げることはそのような出来事であった。

*ガブリエルはインマヌエルである神の子の誕生を告げる。それは大きな祝福であったが、マリアははじめそれを受け入れることができなかった。しかし「主があなたと共に!」の恵みを受け入れた時、マリアは「私は主のはしためです。御心がなりますように」と、主に従うのである。その従順のうちに神の子はマリアの胎に誕生される。

*イエス・キリストの受肉は、ちいさな者・貧しい者の中に宿り、それらの人々の従順を通して実現される。マリアはそれを受け入れるにふさわしい低き心からそれを引き受けた。この神の受肉の出来事はいつの時代にもこのように起こるべきものとして、イエス・キリストの誕生においてその模範が示された。




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