使徒信条解説


6:天地の造り主・全能の父なる神を信ずD


「天の父よ」:主の祈り

*使徒信条第一項「創造主」についての項を締めくくるにあたり、この創造主信仰を真実に生きた方、御父の御子、私たちの主イエス・キリストが教えてくださった祈り「我らの父よ・・」からはじまる「主の祈り」が主に対して願う祈願との関連を押さえておきたい。

*信仰告白と祈りは一つの事柄の裏表である。私たちの信仰告白は主のみことばに基づいており、そのみことばはとても実践的である。そして祈りほど人生を活かす実践的なものはない。その中でも、とりわけ「主の祈り」は主が教えてくださった祈りである。

*「主の祈り」は7つの祈願から成っている。@「御名が聖とされますように」A「御国が来ますように」B「御心が天で行われるように地上でも行われますように」C「私たちの日ごとの糧を今日も与えてください」D「私たちに罪を犯すものを私たちがゆるしましたから、私たちの罪をもゆるしてください」E「私たちを試みに遭わせないでください」F「私たちを悪よりお救いください」。そしてそれら7つの祈願は全て、「天の父よ」につながっている。全て、天の父に向かって願われるものであることを覚えるなら、祈りが天の父と私たちを一つに結び付けてくれるにちがいない。

*使徒信条という原点に位置づけられる信仰告白と、主が教えてくださった、それ故、的を寸分違わない願いは、一致して、神の栄光を顕している。私たちはこの祈りを祈るたびに、主の栄光を賛美する幸いなる人生へと私たちをたえず導き、促してくれる。

*「天の父よ」の祈りは、【アッバ、父よ】の幼子のような願い求めにおいて、私たちをこの世を超えた幸いへと導く。「悪より救いだしてください。」と戦いの最中で願う私たちの切なる祈りが、私たちを御国へと導いてゆく。それら7つの祈願は私たちの人を導くに必要十分な条件である。「私は天地の造り主、全能の父である神を信じます」と告白する民は、「主の祈り」を生涯の祈りとして祈る民である。




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