「みことばの宅配便」 Daily Manna

あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯。詩篇119:105

2014年04月01日
「油注ぎ」

:≪第一日課≫サムエル記上16:1-13(旧453)
:≪今日の聖句≫サムエル記上16:13 「サムエルは油の入った角を取り出し、兄弟たちの中で彼に油を注いだ。その日以来、主の霊が激しくダビデに降るようになった。」

・ダビデに対する「油注ぎ」の場面である。サウルに代わる新しい王を立てるため、預言者サムエルは、それに相応しい人物を求めて、祈りつつ国中を探し回った。選定というテーマは難しい。人事と神事。政治と祭事。この世の支配と神の正義。両者はたえず緊張関係にある。だからこそ、サムエルによるこの選定プロセスは傾聴に値する。

・国や社会を導く指導者を選ぶことは重要である。誰がなっても同じなどということは決してない。むしろ、逆に、危急の時に適切な指導者に恵まれない不遇によって被害を被るのは民である。政治は昔から神事、まつりごとであった。人間の歴史が神の御前にその責任を問われるものである限り、政治は天とつながっており、そのリーダー選びは重要である。今日では選挙というシステムであるが、イスラエルの昔には預言者と崇められるサムエルのような人物の選定に従ったのである。

・サムエルはその際、見た目の麗しさや人々の評判や社会常識を判断基準としなかった。人々の意見に耳を傾けはするが、最後は、神の御前での自分自身の判断に従った。「容姿や背の高さに目を向けるな。わたしは彼を退ける。人間が見るようには見ない。人は目に映ることを見るが、主は心によって見る」。

・そうした熟慮によって、表に現れていない末息子のダビデを探し当てた。彼を見ると、直感的に、この人だと思った。緻密な調査などなかった。直感の力は決して侮れない。人間の判断は結局、第一印象の直感から外れることは少ない。最初の印象は決定的である。しかし多くの場合、その直観力がこの世の規範によって曇らされ、判断が歪められる。しかしサムエルにはその直観力があった。だからこそ彼は高名な預言者であった。

・ダビデはそれまでは裏方であったが、油注がれた「その日以来、主の霊が激しくダビデに降るようになった」。神からの選びは人間をそれにふさわしく変容させる力である。

◇「みことばの宅配便」は、御国への巡礼を共に歩む神の民に
主日聖句から日ごとの糧を分かつ祭司の務めとして発行されています。

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