雲にまつわる現象を学術的に(?!)書いていきます。


 朝霧

  

 秋、それも晩秋のころになると、この地方では朝霧がよく発生する。広島県では、三次盆地の雲海が有名であるが、この辺りに高い山があれば、雲海を見ることができるであろう。
 霧が発生する原因は、大気が冷やされて、水蒸気が飽和状態になり、水滴として現れるのである。これを、「放射霧」というようだ。また、川や海の近くでは、水温より気温のほうが下がるため、霧が発生しやすい。肱川の川霧は有名であるが、ここ沼田川においても、瀬戸内海に流れでる時、その霧が発生する。写真の対象としては美しいが、しばしば交通機関に影響をもたらすのである。

 逆転層

  

 晩秋から早春の天気が良くて冷え込んだ朝、地上の景色を見ると、霧や煙がある一定の高さで横にたなびいていることがある。工場の煙や人家の焚き火の煙がある高さでピタッと止まり、そこからは上には上がらず、横にたなびくのである。
 この煙や霧のできる所を、「逆転層」と呼んでいる。大気の温度は、ふつう、上に上がるほど低くなっていく。だいたい、100mで、0.6℃のわりあいで下がっていく。しかし、冬の寒い朝は、冷たい空気が下に溜まり、地上に近いほど、温度が低いのである。そして、この逆転層の辺りまでは気温は上がっていき、それを境にして気温は下がっていくのである。盆地などで霧が溜まり「雲海」ができるのは、この逆転層のためだと考えられる。逆転層のできている高さは、時間の経過とともに上昇していき、やがて消滅してしまう。

 

 飛行機雲

    

 このあたりは空港に近いので、飛行機雲がしばしば現れる。飛行機雲はジェット機が噴出する排気ガスの中の水蒸気が雲になって帯状に浮かんでいるものである。飛行機雲は空気中の水蒸気の量によって、いつまでも残っている時とすぐに消えてしまう時がある。

 彩雲

   

 雲の中の氷の結晶が太陽光線に屈折して五色に輝くことがある。上の写真の場合では、下の部分がわずかに色着いているのだがわかるだろうか。もっと美しい彩雲が現れたら、後日アップしていくことにする。なお、彩雲は、「慶雲」とも呼ばれ、縁起がよいものとされている。

 黄砂現象

   

 春先に強い西風に乗って、中国大陸から黄砂が飛んで来る。そういう日は、空が黄色っぽく霞み、遠くの景色もぼんやりと見えている。これが、黄砂現象だ。黄砂が飛んで来た時に雨が降っていると、黄砂が雨水に混じり、黄色く汚れた雨として降って来るので、洗濯物なども黄色く染まることがある。また、雪だと、黄色い雪が降って来ることもあるのである。
 黄砂は、前に書いたように、中国大陸の奥地の黄河流域にたくさんある。この時季は大陸は乾燥していて、風で巻き上げられた黄砂が偏西風に乗ってはるか日本までやって来て飛散するのである。

 日暈(ひがさ・にちうん)

   

 「日暈・月暈は雨の兆」と言われるようであるが、統計によると、その確率は60%ぐらいである。暈を作るような巻雲や層巻雲は低気圧全面の温暖前線の中にあることが多い。雨が降る時には、暈がかかると、薄雲からだんだんと濃くなっていく。

 逆飛行機雲

   

 飛行機雲はふつう、青空に白いすじのような雲ができるが、これは、白い雲の中に青空のすじが見える。(写真の上の部分) 

 うろこ雲 

   

 魚の鱗を並べたように、小さい雲が点々とある。この雲が出ると天気が悪くなる確率が高い。 


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