初日の時刻は、どこが早い?


●はじめに

みなさんは、初日の出を見に行きますか? 私は、何度も見に行ったことがあります。私の住んでいる所は、瀬戸内海沿岸部なので、水平線から初日が昇って来ることはありませんが、瀬戸内の島の向こうから昇って来て、穏やかな瀬戸内の水面に映る初日もなかなかよいですよ。さて、大晦日になると、各地の日の出の時刻と天気などが発表されますが、日本の地域によって、日の出の時刻にあまり差がないことに気付かされます。また、日の出がいちばん早い地点は、離島や高い山を除く一般的な場所でいうと、千葉県の犬吠埼あたりだそうです。次の表は、日本各地の日の出の時刻です。

−−− 各地の初日の時刻 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

☆根室  6時50分   ☆札幌  7時06分  ☆青森  7時01分  ☆森岡  6時56分  
☆秋田  7時00分   ☆山形  6時55分  ☆仙台  6時53分  ☆福島  6時53分

☆水戸  6時49分   ☆前橋  6時55分  ☆千葉  6時49分  ☆東京  6時50分
☆横浜  6時50分   ☆甲府  6時55分  ☆静岡  6時54分  ☆長野  6時59分

☆新潟  6時59分   ☆富山  7時03分  ☆金沢  7時05分  ☆福井  7時06分
☆岐阜  7時02分   ☆名古屋 7時00分  ☆津    7時01分   ☆大津  7時04分

☆奈良  7時04分   ☆京都  7時05分  ☆和歌山 7時05分  ☆大阪  7時05分
☆神戸  7時06分   ☆鳥取  7時12分  ☆岡山  7時11分  ☆松江  7時17分

☆広島  7時16分    ☆山口  7時20分  ☆徳島  7時07分  ☆高松  7時10分
☆松山  7時14分   ☆高知  7時10分  ☆福岡  7時23分  ☆佐賀  7時22分

☆長崎  7時23分   ☆大分  7時17分  ☆宮崎  7時14分  ☆熊本  7時19分
☆鹿児島 7時17分   ☆那覇  7時17分

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 ※時刻のデータは「理科年表」より抜粋しました。

●初日の時刻は南東に行くほど早い

 上に掲げたのが、日本各地の初日の時刻です。いちばん早いのが、水戸や千葉の6時49分となっています。(犬吠埼は、これよりいくぶん早く、6時46分ようです。)そして、いちばん遅いのが、福岡の7時23分です。鹿児島や那覇の7時17分より遅いのは、ちょっと意外に思いませんか?さて、どうして、水戸や千葉が早く、福岡が那覇や鹿児島よりも遅いのでしょうか。その原因は、地球の地軸が傾いているためで、この時期は東南東あたりから朝日が照らしている(照らし始める)からなのです。同じ経度ではより東の方が、同じ緯度では南の方が、日の出の時刻が早くなります。これを、日本の地形にあてはめると、千葉県の犬吠埼あたりが、いちばん早く朝日が昇ってきます。もっとも、離島まで範囲を広げると、沖ノ鳥島あたりがいちばん早くなります。日の出の時刻が線分でわかるような図が、こちらのサイトにありますので、ぜひご覧になってください。

☆「日出日没にまつわるはなし」 URL:http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/faq/astro/sunrise.html#earliest

●初日を見に行くという方にアドバイス

 寒い中、初日を見に行く方もいらっしゃると思います。そういう方々に、私の経験をもとにしたアドバイスを書いておきます。

@早めに現地に到着する

 日の出の時刻は、上記に書いた通りです。少なくとも、この時刻より30分前には到着しておきましょう。できれば、1時間ぐらいの余裕があったらいいですね。薄暗い空がだんだん明るくなり、とくに東(東南東)あたりの空は赤みを増していきます。その色の変化を見るのも愉しみの一つです。もし、グリーンフラッシュという現象が見られたら、とてもラッキーですね。

A車で行くときに気をつけること

 @にも関係してきますが、日の出の時刻ぎりぎりになって、車で移動するのは避けましょう。場所によっては渋滞することもあるからです。また、「太陽はどっちから昇るんだ」と、よそ見運転をしないようにしましょう。歩行者もいることがあり、急に道路を横切ってくることもあるからです。歩行者と接するような事故でも起こしたら元も子もありません。新年早々からいやな思い出になり、一年のスタートを切るには最悪になってしまいますよね。

B防寒対策をしっかりと!

 気温がいちばん下がるのは、日の出直後です。いくら美しい初日を見ることができても、寒さには勝てません。しっかりと防寒対策をして、さらに温かい飲み物を用意しておくといいですよ。

C写真を撮るのなら・・・

 日が昇ってくる位置をしっかり確認しておきましょう。この時季なら、東の方向よりやや南寄りです(東南東ぐらい)。カメラは三脚に固定しておくほうがよいと思います。手持ちでは、手先などに冷たさを感じ、余計に寒くなりますよ。また、デジカメだったら、できるだけ多くの写真を撮ってください。そのほうが、「アタリ」が出る確率が高くなりますから・・・。

●おまけの話

 このノートで、日の出の時刻にあまり差がないことを書きましたが、夏至ではどうなのでしょう。調べてみると、こちらでは大差があることがわかりました。いちばん早い根室では、3時37分であるのに対して、那覇では5時37分で、2時間の違っています。どうしてそうなるかは、やはり地軸の傾きによるからです。これも、紹介URLの線分図を見るとよくわかります。さて、初日を拝む習慣は、日本独特のもののようです。わざわざ寒い中を、それも真っ暗なうちに出かけていくことを考えると、理解できるような気がします。日の出スポットというような所では、たくさんの方が初日を拝まれていますね。でも、翌日だと、その数は激減します。私も、1月2日に瀬戸内海が見渡せる展望台に行ったことがありますが、私だけでした。もっとも、私は、日の出の連続写真を撮るのが目的でしたので、元日でもその次の日でもよかったのですが。


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