式文解説 Liturgy expositon

ルーテル教会では礼拝に式文を用い、唱和します。それは伝統に裏付けられた知恵の宝庫です。
しかしその意味が不明では心から唱和和することが出来ません。
そこで、式文に盛られている宝のエッセンスを解説するのがこのコーナーです。
毎週水曜日に連載します。
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2014年07月16日

≪式文解説≫52:

 「招きから始まり派遣へと至る礼拝全体」

*キリスト教の礼拝は神の普遍的招きから始まり、創造世界への神の宣教に共に派遣されることへと至る。

*神はご自身と共に歩む民を求められている。その意味で「全世界の民を弟子とせよ」との大号令を発せられた神は、恵み深いご自身と共に歩み、全てを大いなる神に委ね、聞き、従う「弟子」を求められている。それは、自分の内にこもる人間から解放されて自由なる霊をもって与えられた生を賛美する者である。「御父は霊と真理において御父を礼拝する者たちを求めておられる」(ヨハネ4:23)が故に、強く、全ての人々を普遍的に弟子とするようにと説得的に招かれる。

*その招きの神は、ご自身と共に、ご自身の内で、人々が信仰と希望と愛において成長するために導き、成長させ、この世を神の国へともたらすために、この世へと派遣される。それは御子を派遣された後に、御子と共に、御子の内にあっての「信仰と希望と愛における平和」の宣教への派遣である。「シャローム・あなた方に平和があるように」。その平和の祝福が礼拝の最後の祝福の言葉となっている。「父が私をお遣わしになったように、私もあなた方を遣わす」と言ってから、息を吹きかけられた。「聖霊を受けなさい。誰の罪でもあなた方が赦せば、その罪は赦され、あなたが赦さなければ赦されなまま残る」(ヨハネ20:21-23)。その派遣は「赦し」のための派遣である。それがイエスご自身の福音宣教であったように。(完)




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