主の祈り解説


主の祈り解説 9


水曜版:≪主の祈り解説≫9
「われらを試みにあわわせないでください」

@地上を歩む肉なる人間は何故か(神秘的な意味で)「試み」に弱く造られている。試みは神がもたらすのではなく、悪魔の仕業であるが、人間を成長させるために神が許しておれらる側面もある。だからといって、「試みよ我に来たれ」と言えるほど人間は強くない。悪魔は人間の力をはるかに超えている。主はそのことをよくご存じであるがゆえに、「試みにあわせないでください」と祈るようにと言われる。それにもかかわらず、人は「試み」を避けえない。試みについてルターは、試みがなければ自分の霊的成長(神学)はなかったと言いつつ、もしあと一瞬神の恵みの介入が遅れれば自分は生きていなかったとも言っている。「試み」は来なければならない必然だと主は言われる。だがその時、試みの中でこそ、自分を守り養ってくださる主が共にいてくださることを経験できるようにと、私たちは祈るのである。「試みにあわせず」は「主が共に」とコインの表裏である。




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