天文のページ(3)   ←BACK   NEXT→      トップページへ

9.「閏年」、「閏日」の話

 昨年は、4年に1度の2月29日があった。こういう年のことを、「閏年」と言い、また、その日のことを、「閏日」と呼んでいる。夏のオリンピック開催の年がそのようになっていると思えばまちがいない。
 そこで、質問。閏日はどうして作られているのでしょう? また、閏日はどうして2月29日なのだろう?
 まず、最初の答えから・・・。
 地球は太陽の回りを公転しているが、1周回ってくるのに約365日かかる。ぴったり365日であれば閏日を作る必要はないのであるが、実際には365日と5時間48分46秒かかっている。つまり、365日では約1/4日分足りないことになる。そこで、それを4倍すると1日分になることを発見し、4年に1度「閏日」を作って、調整したのである。
 ところが、その「半端な時間」は、ちょうど1/4日分ではないので、4年に1度「閏日」を入れても、またズレが生じてしまうのである。そこで、100年に1度、ちょうど100で割れる年は「閏日」を作らないことにしたのである。最近の例では、1800年、1900年は閏日がない。
 でも、昨年(2000年)に、閏日があるのは、今までのような方法で「半端」を調整しても、まだズレが生じてくるので、400で割れる年は、閏日を抜かないことにしているそうだ。4年に1度の閏年なのに「閏日」がないという奇妙な現象は私が生きている間には起こらないことになる。ちょっと残念・・・。
 もう1つの質問の答え・・・。
 1年の始まりは1月で、終わりの月は12月であることは、ご存知のことである。ところが、昔、西洋では、1年の始まりが、1月ではなくて3月だったのである。ちなみに、「1月、2月、・・・」というような月の呼び方は、日本のものである。英語では、「January,February、・・・」というように、月に数字がつかないのである。したがって、2月が最後の月で あったので、「閏日」は、2月の最後の日、28日の後に付けたのである。
 2月がほかの月にくらべて短いのは、7月と8月が「大の月」になっているしわ寄せなのである。何で、この2つの月が「大の月」になっているかについては、またの機会に譲るとしよう。

10.春分の日と秋分の日

 2000年の場合、春分の日は3月20日、秋分の日は9月23日である。ところで、春分の日にしても、また秋分の日にしても、毎年一定の日になるとは限らない。たとえば、春分の日は3月20日になるときもあれば、3月21日になるときだってある。年によって違うのはなぜだろうか? 私は「閏年」との関係とばかり思っていたのであるが、実はそうではなかったのだ。
 春分の日や秋分の日をどうやって決めるのか。それは、地球と太陽の位置によって決まるのだそうだ。すなわち、太陽の回りを公転している地球が、「春分点」または、「秋分点」を通過した日をそれぞれ、「春分の日」、「秋分の日」にしていると聞いている。むずかしいものなんですね。ついでに、「春分」と「秋分」、実に言いにくいですね。言葉が似ているから・・・。

11.黄道光の話

 春先の夕方、西の空を見ると、地平線から天頂に向かってぼんやりと光っている現象を見ることができる。これが、「黄道光」(おうどうこう)という現象である。西の空が開け、また空気が澄んでいる地域でないと、なかなか見ることができない。当の私も、はっきりと見える黄道光をまだ見たことがない。
 黄道光はなぜ見えるのかというと、地球と太陽の間にある細かい塵が光って見えるのだという。しかも、3月のころがいちばん見えやすいのだそうだ。きょうの夕方、西の空に目をやってみたらどうだろう。ついでに、今は木星と土星もみえているから・・・。

12.南十字星の話     石垣島で買ったテレカ

 南十字星と聞くと、南の国のロマンチックな情景を連想する人も多いのではないかと思う。南の島(例えば、グアム島)でみると、5月ごろに水平線に十字架が立ったように見えている(はずである)。日本ではほとんどの地方で見るかとができない。鹿児島でやっとその一部が、石垣島でも地平線近くにしか見えないのである。私も南十字星を見たくて沖縄方面に行ったのであるが、ずっと天気が悪くて、それを見ることができなかったのである。
 ところで、ずっとずっと昔には、広島辺りでも、南十字星を見ることができたのである。地球の自転軸の向きが少しずつ動いているからなのである。今でこそ、「北極星」(正しくは、こぐま座のポラリス)は「北極星」なのであるが、ずっと昔は、別の星が「北極星」だったのだ。そのため、昔は今より南に位置する星も見えていたのである。春でいうと、これから先、南に位置する星々が見えにくくなっていくことになる。うーん、残念・・・。

         

         上の図でもわかるように、今から12000年後は、こと座の「ベガ」が、「北極星」になる!


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