35.太陽系の仲間たち
太陽系の惑星を太陽から近い順に言えるだろうか。
「すい、きん、ち、か、もく、どっ、てん、かい、めい。」
おそらく、上のような言葉を呪文のように唱えて覚えたにちがいない。おさらいすると次のようになる。
・水=水星(すいせい)
・金=金星(きんせい)
・地=地球(ちきゅう)
・火=火星(かせい)
・木=木星(もくせい)
・土=土星(どせい)
・天=天王星(てんのうせい)
・海=海王星(かいおうせい)
・冥=冥王星(めいおうせい)・・・?冥王星は準惑星になったので、現在では8つになったね。
この、8つの惑星の他に、火星と土星の軌道の間にある小惑星、ハレー彗星に代表される彗星、それぞれの惑星の回りを回っている衛星、そして中心にある太陽を含めて、それを「太陽系」と呼んでいる。
ところで、太陽系のことを英語では、「ソーラーシステム」(solar system)と言う。ソーラーシステムと言うと、太陽熱湯沸器のことだと思ってしまう。確かに太陽熱を利用する設備なので、まちがいではないと思うが、何だか妙な感じがする。
36.水星の話 水なんかないだろうね
水星は、漢字で書けば、「水の星」。だれが「水星」と名付けたのかは知らないが、実際には水は全くないようだ。しかも太陽のいちばん近くを回っているので、灼熱の地獄の星なのである。
水星を見つけるのは、けっこうむずかしい。そのわけは太陽の近くにあるからで、明るい太陽の近くの明るい空を探さなくてはならないからである。私自身も水星を見たことがない。(本気になって探したことがないからである。)
37.金星の話 金星は「一番星」として見つけやすい
金星はとても明るい。日の出前の東の空に見られるのを「明けの明星」、夕日が沈んで西の空に見られるのを「宵の明星」と呼んでいる。いちばん明るい時で、マイナス4.6等級ぐらいの明るさになる。恒星でいちばん明るく見える「シリウス」でもマイナス1.6等級の明るさであるから、いかに明るく輝いているかがわかる。いちばん明るい時には昼間でも見えるということだ。位置をよく確かめてそちらの方向に双眼鏡を向けてみるとよい。
ところで、水星も金星も夕方か明け方の限られた時間にしか見ることができない。これは、水星も金星も地球の内側を回っているためで、こういう惑星を「内惑星」と呼んでいる。もし、真夜中に金星を見たという人があったら、それはまちがいなのである。
明るく見える金星を見つけたら、双眼鏡か望遠鏡を向けてみよう。月のように満ち欠けしている姿を見ることができるから・・・。
ところで、金星は「ビーナス」という名前が付いている。「ビーナス」とは、美の女神のことだ。しかし、金星の内部は、上の図のようにとんでもない世界なのである。見かけは美しいんだけどねぇ・・・。
38.火星の話
火星は地球のすぐ外側を回っている。2年と2か月ぐらいの割合で地球に接近してきて観察しやすくなる。肉眼では赤っぽく、望遠鏡で観ると少し暗い色の模様や白く見える部分もある。
昔の科学者は、この暗い部分を「運河」だと思ったようだ。そしてそこには火星人が住んでいたにちがいないと信じていたようである。図に描くとこんなものか・・・。
しかし、ロケットで火星を探査したところ、火星には生物がいないということだった。ほんとうにいたらよかったのにねぇ。
火星にも「お月さん」がある。地球の月とはちがいとても小さい月だそうだ。そしてあまりにも小さいので、丸くなく、ジャガイモのようないびつな形をしているそうだ。というのは、あまりにも小さいので、地球から観察するのはとてもむずかしいらしい。
火星の月の名は、「フォブス」と「ディモス」。フォブスが7時間半ぐらいで、ディモスは30時間ぐらいで火星の回りを一回りする。どちらもとても忙しいお月様だ。火星に行って見てみたいものだね。
忙しい火星の「月」