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44.太陽と月の大きさ

 毎日のように見ている太陽と月。見かけの大きさはほぼ同じである。ところが実際には太陽と月とでは、その大きさが約400倍もちがい、当然のこと太陽のほうが大きい。

 ・太陽の半径=696000km
 ・月の半径  =  1738km
 ・696000 ÷ 1738 = 400.46029・・・

 ところが、見かけの大きさがほぼ同じであるのは、地球から太陽までの距離と、同じく地球から月までの距離がこれまた約400倍ちがうからなのである。

 ・地球から太陽まで=149597870km
 ・地球から月まで  =   384400km (どちらも平均距離)
 ・149597870 ÷ 384400 = 389.17239・・・

 どちらも平均の距離であるので、近付く時と遠ざかる時とがある。例えば月の場合では、360000kmから400000kmぐらいで変化している。これは、楕円軌道であるためだ。
 このような偶然の一致で、太陽と月はほぼ同じ大きさに見えているのである。

45.日食の話  

 日食のことについては以前に書いたことがあるが、もう一度書いていくことにする。
 日食とは、昼間の太陽が月にかくされてしまう現象のことをいう。日食は必ず新月の時に起こるが、その時にいつも日食になるとは限らない。これは、地球に対する太陽の通り道(黄道)と、同じく月の通り道(白道)が約5度ずれているためで、この2つの通り道が交わったときに新月にならないと日食にはならないのである。また、満月の時に通り道が交差しないと月食にもならない。新月や満月の時に、太陽と月が黄道と白道の交差点にあるということは少ないので、日食や月食をそんなに見ることができないのである。

        
 日食には3種類がある。これは、太陽、月、そして地球の位置関係によって決まるのであるが、それによって、「皆既日食」、「金環日食」、そして、「部分日食」である。部分日食は比較的によく見ることができるが、皆既日食と金環日食は見られる地域が限定されるために、わざわざそこまで行って見るという人も少なくない。同じ地域で同じような日食(皆既日食や金環日食)が見られる確率は、400年に1度ぐらいだそうだ。

     
 それにしても、皆既日食を見てみたいものだ。真珠色に輝くコロナ、そして月にかくされた黒い太陽、薄暗い回りの景色や空・・・。この世のものとは思えないような美しい光景だということだ。前にも書いたように、本州で皆既日食を見ることができるのは、2035年のこと。まだ先のことだ。

46.月食の話     

 今度は月食の話。月食は月が地球の影にかくされて見えなくなる現象のことをいう。見えなくなると言っても、うすぼんやりと見えていて、その時、月は10円玉のような不気味な色をしている。月食は日食のように見られる地域が限定されることはなく、月さえ見えていれば、どこからでも同じように見られるのである。(空の明るさや月の高度はちがっているが・・・。)
 そのようなわけで、日食は(3種類のうちのいずれかが)9年のうち4回(そのほとんどが部分日食)であるのに対し、月食は5年のうち4回ぐらいは見ることができる。


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