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57.いよいよ夏の星座に

 6月になると、夏の星座が観察しやすくなってくる。夏の星座の代表と言えば、「夏の大三角」を構成している、「こと座」、「わし座」、そして、「はくちょう座」を真っ先にあげることができる。また、南の空の「さそり座」も忘れてはならないであろう。しかし、今、採り上げた4つの星座は、6月では深夜近くにならないと、観察しやすい位置にやって来ない。もう少しの辛抱だ。でも、どうしても見たいというのなら、遅くまで起きていて観察するとよいであろう。さらに明け方まで起きていると、夏の星座はおろか、「ペガスス座」や「みずがめ座」など、秋の星座をも観察することができるのである。まぁ、明日が休みという時は、一晩中起きて観察してみるとよいであろう。夏は他の季節とちがって夜でも比較的暖かいので楽なのである。そうは言っても油断大敵。夏でも風邪を引くからね。夏風邪は想像以上につらいものなんだから・・・。

58.かまど星〜「かんむり座」

 梅雨の晴れ間に、天頂方向を見ると、「うしかい座」の左どなりに、7つの星が小さな半円形をつくっているのに気付く。それが、「かんむり座」だ。この星座には目立つ星があるわけではないのに、一目見れば頭の中に残る星座である。日本でもこの星の並びかたに注目したようで、日本各地でおもしろい呼び名で言われている。とくにおもしろいものとして、「かまど星」、「へっつい星」、「鬼のお釜」、「くるま座」、「たいこ星」、「指輪星」、「土俵星」などである。確かにそのように見える。「かんむり座」の2等星「ゲンマ」は、「宝石」という意味だそうだ。この「かんむり座」にぴったりの名前である。「所変われば品変わる」という諺があるが、同じ星座でも、見る人によってずいぶんちがう物を連想するようである。

59.将棋の駒〜「へびつかい座」

 「さそり座」の上に、将棋の駒のような五角形の星の並びを見つけることができる。これが「へびつかい座」である。最近になって、星占いの13番目の星座としても有名になったようだ。
 しかし、五角形と言ったが、それが大きく広がっている上、明るい星が少ないので、なかなか見つけにくいようである。
 ところで、「へびつかい座」の左右に「へび座」がつながっている。「へび座」は、「へびつかい座 」によって、「頭」の部分と「尾」の部分に分かれている大変めずらしい星座である。そして、「頭」の部分の星々は、天頂方向に伸びていて、すぐ近くの「かんむり座」の宝石を狙っているようにも見える。

60.「へ」の字のような「てんびん座」

 南の方角に目をやると、「おとめ座」と「さそり座」の間にある、「てんびん座」を見つけることができる。「てんびん座は、ギリシャ神話では、人の善悪をはかる天秤だとされていて、星占いで出てくる星座の一つである。
 「てんびん座」にもあまり明るい星がないので、この星座を見つけるには、「おとめ座」のスピカと、「 さそり座」のアンタレスを見つけ、その中間あたりを探すと、お目当ての「てんびん座」が見つかる。

61.「南」の空に思いを馳せる・・・・

 本州から見ることのできない星座で、一度はみて見たいとあこがれる星座が、「南十字星」である。「南十字星」については、以前の「天文のページ」で紹介しているので、今回は、その北側にある、「ケンタウルス座」と「おおかみ座」を見ていくことにする。
 この2つの星座は、南の低い空にしか見えないが、空の開けている所では、本州でもみることができる。また、「ケンタウルス座」には、「プロキシマ」と呼ばれる恒星があり、これは太陽の次に地球の近くにある星なのである。近くにあると言っても、光速で4年余りはかかってしまう。太陽は光速で8分20秒ぐらいだから、やっぱり「遠い」ところにある星なのである。
 「ケンタウルス座」の足の下に、「南十字星」があると思うと、南国にロマンを馳せてしまうのは私だけだろうか・・・。 


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