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69.天体写真を撮ろう!

 天文雑誌や「星の本」などを見ると、美しい天体写真が載っている。こういう写真はどうやって撮るのか、また、自分でも撮ってみたいと思ったことはないだろうか。
 天体写真というと、特別な器械やカメラ、またフィルムが必要だと思われがちだが、手持ちのカメラと今入っているフィルムで意外と簡単に撮ることができるのである。ちょうど、「昼の風景」が「夜の風景」になったのだと思えばよい。
 この「天文のページ」でも、いくつかの天体写真を載せているが、そのほとんどが、「静止撮影」という方法で写真を撮っている。「静止撮影」は、「固定撮影」とも言われ、カメラを三脚に固定して撮影する。レンズを星空に向けてシャッターを数分ぐらい開けっ放しにしておくと、日周運動によって筋のような光跡になってフィルムに写り込むのである。
 もう一つの方法が「ガイド撮影」である。この方法で写すと、星はちゃんと、「点」に写し止めることができる。しかし、赤道儀と呼ばれる特別な器械が必要であり、また撮影にはある程度の技術が必要で、専門家やマニアの人以外ではあまり一般的ではない。
 したがって、ここでは、だれでも簡単に撮影できる、「静止撮影」の方法について説明していくことにする。

70.必要な機材

☆カメラ・・・普通のカメラでよい。できれば「一眼レフ」と呼ばれているカメラの方が構図を決めやすいということで使いやすいであろう。ただし、シャッター目盛に必ずB(バルブ)または、T(タイム)があるものでなければならない。オート専用のカメラでは写せない。だから、今時のAFカメラよりも旧式の絞りやシャッター値を自分で決め、フィルム巻き上げも手動式のものよいのである。中古屋さんに行くとこの手のカメラは安く入手できる。(一部の例外はあるが)

☆三脚・・・・大きくてガタガタしないものがよい。なくても写真は写すことができる。

☆レリーズ・・カメラのシャッターボタンのところに付けて使う。ストッパーねじ(シャッターを押した時、押しっぱなしになるようにするもの)が、付いていること。レリーズがなくても何とかなる。

☆フィルム・・白黒(最近、ほとんど見かけないね)、カラーのどちらでもよい。できれば、感度の高いものがよい。一般的な「400」のものや、高感度の「1600」や、「3200」のフィルムを使うといいだろう。また、プリント用のネガフィルムよりスライド用のポジフィルムの方が、発色という点では優れている。(でも、「ネガ」の方が手軽でいいよ。)

☆その他・・・記録用紙、星座盤、懐中電灯などがあると便利である。そして、夜は寒くなるので、防寒対策もしておくこと! 

71.天体写真の写し方

 三脚にカメラを取り付け、レリーズでシャッターを押す。レコードの溝のようににはっきりとした光跡として写したい場合は、30〜60分シャッターを開きっぱなしにしておくとよい。星座の形もわかったほうがよいというなら、4〜8分ぐらいでよい。高感度フィルムだと、30秒ぐらいでも充分に写る。現像・プリントは写真屋さんでやってくれるが、「星を写しました。」と、一言、言っておくとよい。

  ☆もう一度大切なこと☆
    @三脚にカメラをセットする。
    Aレンズのピント目盛(距離環)は、「無限大」(∞)にする。
    Bレンズの絞りは1〜2段絞る。(開放の数字が1.4の場合だったら、2か2.8にする。)
    C目標の星座にレンズを向ける。
      この時、日周運動によって、星が動いていく方向を空けておくようにする。
    Dシャッターを開き、露光させる。
    E撮影終了後、現像・プリントを依頼する

   ※撮影データは、記録して残しておく。そうすれば、次回からの参考になる。
      ・撮影日時
      ・撮影対象
      ・カメラとレンズ
      ・使用したフィルムとその感度
      ・レンズの絞り値
      ・露光時間
      ・現像の方法(自分でしたのか、写真屋さんに依頼したのかなど。)

     全部とは言わないまでも、メモに残しておくとよい。 


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