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84.恒星の呼称

 恒星の呼称には、こと座の「ヴェガ」とか、わし座の「アルタイル」のような、固有名のほかに、α星、β星というような、呼称でも表記されている。
 αとか、βという表記は、ギリシャ文字で、その星座を構成している星を明るい順に、命名している。先ほどの、「ヴェガ」や「アルタイル」は、それぞれの星座の中でいちばん明るい恒星なので、どちらも、「α星」である。ギリシャ文字の”アルファベット”だけでは足りなくなると、今度は「1番星」というように、番号をつけていくようである。
 ギリシャ文字の読み方は次の通りである。

大文字

小文字

 名 称

大文字

小文字

 名 称

 Α

 α

 アルファ

 Ν

 ν

 ニュー

 Β

 β

 ベータ

 Ξ

 ξ

 クシー(グザイ)

 Γ

 γ

 ガンマ

 Ο

 ο

 オミクロン

 Δ

 δ

 デルタ

 Π

 π

 ピー(パイ)

 Ε

 ε

 エプシロン(イプシロン)

 Ρ

 ρ

 ロー

 Ζ

 ζ

 ゼータ(ジータ)

 Σ

 σ

 シグマ

 Η

 η

 エータ(イータ)

 Τ

 τ

 タウ

 Θ

 θ

 テータ(シータ)

 Υ

 υ

 ユプシロン

 Ι

 ι

 イオータ(イオタ)

 Φ

 φ

 フィー(ファイ)

 Κ

 κ

 カッパ

 Χ

 χ

 キー(カイ)

 Λ

 λ

 ラムダ

 Ψ

 ψ

 プシー(プサイ)

 Μ

 μ

 ミュー

 Ω

 ω

 オメガ


 こうやって並べてみると、数学の記号も多いが、車やテレビなどの商品名にも使われている文字がけっこう多いことがわかる。

85.二十四節気の話

 2000年の「立秋」の日は8月7日であった。書状を書く時には、この日を境にして、「暑中・・・」と書かずに「残暑・・・」と書くようである。
 ところで、この「立秋」とか、「秋分」の日は何を基準に決められているかというと、地球が太陽を回っている位置を元にして決められている。具体的には、「春分点」を0度とし、夏至が90度、秋分が180度、冬至が270度といったぐあいである。これを15度おきに細かく分けて、それぞれに名前を付けたのが、二十四節気である。「大寒」とか、「啓蟄」という言葉は聞いたことがあるのではないか。
 これも、一覧にしてみることにする。

名称

太陽黄経

 月/日

名称

太陽黄経

 月/日

春分

   0度

 3/21ごろ

秋分

 180度

 9/23ごろ

清明

  15

 4/ 5

寒路

 195

10/ 9

穀雨

  30

 4/20

霜降

 210

10/24

立夏

  45

 5/ 6

立冬

 225

11/ 8

小満

  60

 5/21

小雪

 240

11/23

芒種

  75

 6/ 6

大雪

 255

12/ 8

夏至

  90度

 6/22ごろ

冬至

 270度

12/22ごろ

小暑

 105

 7/ 8

小寒

 285

 1/ 6

大暑

 120

 7/23

大寒

 300

 1/20

立秋

 135

 8/ 8

立春

 315

 2/ 4

処暑

 150

 8/24

雨水

 330

 2/19

白露

 165

 9/ 8

啓蟄

 345

 3/ 6


 実際の季節の感覚でいうと、二十四節気のほうが早く感じられるようだ。立秋を過ぎたと言え、まだまだ暑い日がこれからも続きそうである。
 なお、二十四節気の他に、「雑節」というのがある。ついでにこれも一覧にしておく。

名称

太陽黄経

 月/日

名称

太陽黄経

 月/日

土用

 297度

 1/18

半夏生

 100度

 7/ 2

節分

 2/ 3

土用

 117度

 7/20

彼岸

 3/18

二百十日

 9/ 1

土用

  27度

 4/17

彼岸

 9/20

八十八夜

 5/ 2

土用

 207度

10/21

入梅

  80度

 6/11


 「土用」の日にウナギを食べると言うが、これを見てわかるように、「土用」の日は、夏だけでないのである。
 ここに挙げたデータの月日は、「理科年表」から抜粋したものであるが、月日は年によって1日ぐらい前後するようだ。これは、前にも書いたように、(「閏年、閏日」のところ)、地球の位置が、年によって少しずつずれているからである。

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