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86.昼間の空も眺めてみよう! 

 私は、夜の空を眺めるのが好きであるが、昼間の空(正確に言えば雲か)を眺めるのも好きである。雲(雨)と太陽の光の”競演”でいちばん美しいものと言ったら、虹であろう。あの、「七色の虹」の色は、どんな器械を使っても再現することができないと思う。
 ところで、空に出る「七色の光」は虹だかでない。「日暈」(にちうん・ひがさ)、「彩雲」、「天上環」など、さまざまなものがある。ここに紹介する、「幻日」(げんじつ)も、その例である。幻日は夕方によく見られる。西の空に傾いた太陽に薄く雲がかかっているときに、その雲の少し離れた所が明るく輝いていることがある。よく見ると虹色に染まっている。これが、「幻日」と呼ばれる現象である。なぜ、このような現象が起こるのかというと、雲の中にある氷の結晶に太陽の光が屈折して、その光が私たちの目に届いているのである。上の写真の光っている所が、その「幻日」であるが、そこには”本物の”太陽があるわけではない。実際の太陽は、この写真の範囲にはなく、右側に外れた所にある。いかにも太陽があるように見えることから、「幻日」(まぼろしのひ)というのであろう。
 この写真ではわからないが、太陽の左側にも現れるから、全部で太陽が3つあるように見える。別の言い方をすれば、”子連れの太陽”のように見えていて、「あれっ」と思うにちがいない。

87.月光環の話  

 薄い雲に月が覆われると写真のようになる。ふつうは「朧月」と呼ばれているが、月光環ともいう。よく見ると、内側から青、緑、黄、赤の順に配色されている。さらに、その外側に取り巻くように色づいた輪が見られることもある。(画面の写真は、左はノーマルなもの、右は色を強調するために、画像処理をした。)
 光環は、水滴の雲に光が回折して起こる現象だそうだ。そして、水滴が小さいほど大きな輪ができるということだ。
 光環は、月の周りだけでなく、太陽の周りにもできる。そして、暈(かさ)より小さいので、すぐに区別がつく。見逃してしまいそうな現象ではあるが、とても美しいものである。


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