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97.神話に登場する星座

 秋の夜空は、古代エチオピア王家にまつわる星座神話に登場する人物や動物が夜空を飾っている。古代エチオピア王家のケフェウス王、王妃のカシオペア、王女のアンドロメダ姫、アンドロメダを襲ったお化けクジラ、翼の生えた天馬ペガサスにまたがって、お化けクジラを退治した勇士ペルセウスである。それでは、この星座が出て来る物語を紹介していくことにする。
 アンドロメダは、古代エチオピアの国王ケフェウスとその后カシオペアとの間に生まれた美しい王女であった。母親のカシオペアは、娘の人並みはずれた美しさが自慢で、ことあるごとに、「これほど美しい娘がどこの国にいようか。」などと、言い歩いていた。
 ある時、娘自慢をしていたカシオペアは、
「海のニンフ、メレイドの五十人姉妹がいくら美しいと言っても、私の娘、アンドロメダの足下にもおよびもすまい。」と、口を滑らせてしまったのだ。
 メレイドは五十人もいる海の神ポセイドンの孫で、海底の宮殿に住んでいる海のニンフである。自分たちのことを、とても美しいと思っていたので、カシオペアの自慢話に我慢できず、このことをおじいさんのポセイドンに言いつけた。かわいい孫をけなされたポセイドンは腹を立て、お化けクジラを送っていろいろないやがらせを始めた。
 それからというもの、エチオピアの国には、大津波が押し寄せ、人や家を押し流したり、お化けクジラに子どもをさらわれたり、牛や馬までも海の中にひきづりこまれたりと、恐ろしいできごとが続いた。
「これはいったいどうしたことだ。」
心配したケフェウス王が、大神ゼウスにうかがいをたてた。ゼウスはこの災難は、カシオペアの娘自慢に怒った海の神、ポセイドンのしわざであり、それをなだめるには、王女アンドロメダを人身御供として捧げるしなないと伝えた。
 このお告げを知った人々は、王宮に押しかけ、アンドロメダ姫の両手に鎖を架け、海岸まで引きずって行き、岩につなぎ、逃げ帰った。やがて、川面が怪しく波打ち、波間から真っ赤な口を開けた、見るも恐ろしいお化けクジラが姿を現し、白い泡を吐きながら近づいてきた。アンドロメダが恐ろしさの余り、目をつぶったその時、馬のいななきが聞こえ、天馬ペガサスにうちまたがったペルセウスが空から舞い降りて来た。ペルセウスは怪物メデューサを退治して、その生首を革袋に入れ、セリホス島に帰る途中で、雲間からこの光景を目にし、雲をけ散らして降りてきたのであった。ペルセウスに気付いたお化けクジラは、大きな口をカァーッと開けて、待ちかまえている。ペルセウスはとっさに、革袋からメデューサの首を取り出すと、お化けクジラをめがけて差し出しました。なにしろ、髪の毛はすべてヘビ、その顔を見た者は、恐ろしさのあまり、たちまち石になってしまう、メデューサの首である。さすがのお化けクジラも、ひとたまりもない。あっと言う間に石になると、そのまま海の深くへ沈んでいった。
 こうして、アンドロメダ姫は救われ、これが縁で、アンドロメダ姫とペルセウスは、めでたく結ばれることになったのであった。

 ※このお話は、ダットジャパン社の「ハイパープラネット・秋編」に詳しく紹介されている。
   天文関係のソフトやデータが、CD-ROMで提供されている。
 ※ダットジャパン社のホームページは、
http://www.datt.co.jp/index.html  です。


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