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117.57年ぶりの木星食

 2001年8月16日の未明に、57年ぶりの木星食が観測される。今回の観測を逃すの次回は30年も先にしか起こらないという、とても珍しい現象なのである。
 ところで、「星食」とは、月がその後にある星を隠してしまう現象のことである。暗い恒星はしょちゅう月に隠されているので話題に上ることはないが、1〜2等星の星が隠されるということは、めったに起こるものではない。ましてや、金星や木星などの惑星が月の影に隠れてしまうことは、とても珍しいことなのである。
 さて、今回は、マイナス2等級の木星が月に隠されてしまうのである。木星が下弦の三日月(この表現が正しいかはわからない)に隠されるので、月明かりの影響は比較的少ないと言える。広島地方では16日の午前3時過ぎから、「イオ」に続いて木星の本体、「エウロパ」、「ガニメデ」、そして、「カリスト」の順に月に隠されていく。木星本体は1分ぐらいかかって月に隠れていくということだ。そして、約50分後に、月の反対側からまた現れてくる。各地方の出没時間については、「天文ガイド」や「星ナビ」などの天文関係の雑誌を参考にするとよい。
 観測は、肉眼でもできる。しかし、もっと詳しく観ようと思ったら、双眼鏡や望遠鏡を使いとよい。とくに、ガリレオ衛星や木星本体の潜入のようすをはっきりと観たいというならが、口径が10センチメートル、倍率は200倍は欲しいということである。
 8月16日というと、夏休みの人も多いのではないかと思う。前回にも書いたが、この日は「ペルセウス流星群」の最盛期にもあたっている。そちらとも併せて観察するといいと思う。なお、観望を始める時刻は、現象が始まる30分ぐらい前からがよいようだ。


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