2001年8月16日の未明に、57年ぶりの木星食が観測された。星食の始まりが午前3時ごろであったため、”徹夜”になってしまった。
午前2時半ごろから準備を始め、機材を持って現地に向かった。現地と言っても、自宅の近くの空き地というか、道路の端である。ここは、街灯などの明かりの影響も少なく、しかも東天が開けているので、都合がよかったのである。
いよいよ3時前、木星が三日月のように細い月に接近してきた。35mmのレンズで、全景を撮影。そして、すぐに300mmのレンズに交換して、月と木星の部分を撮影した。
3時2分、木星が月に隠されていった。それから、約50分間、木星は月に隠れているので、気長に待つことにした。
3時52分ごろ、木星が再び月の後から姿を出した。潜入の時は、月の明るい部分だったので、肉眼でははっきりとわかりにくかったが、出現は暗い部分からなので、印象的なものだった。三日月のすぐ近くに宝石のような木星があり、それはどこかの国旗を連想させるものであった。また、以前に「金星食」を観たことがあるが、その時の記憶がよみがえってきた。
潜入前 出現後
4時を過ぎると、この地方では夜が明けてくる。家に帰り、眠い目をこすりながら、「ステラナビゲータ」という天文ソフトで、今回の現象を再現させてみた。次回は30年以上先のことになるらしい。また観ることができるといいな。