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24.「北斗七星」の話            

 星座をよく知らない人でも、「北斗七星」なら知っているということは多いのではないかと思う。「北斗七星」は、実を言うと星座ではなく、「おおぐま座」のしっぽの部分の7つの星の集まりなのである。「北斗七星」という言葉は、中国から来ているらしい。似たようなので、「南斗六星」というのがあるが、これは、「いて座」の一部分である。どちらも、柄杓のような形で星が並んでいる。
 さて、「北斗七星」が、何でよく知られているのであろう。理由はいくつもある。
 @7つの星の並びがはっきりとしていて、しかも2等星と3等星なので、見つけやすい。
 Aいつも北の空に出ている。ただし、緯度の低い地方や北の地平線付近が山の場合は、秋から冬にかけては   見つけにくい。
 B「北極星」を見つけるための、目印になっている。(このような星のことを「指極星」という。)
 などが、あげられる。

   図のように、杓の部分の2つの星の間隔を5倍のばしたら、「北極星」がみつかる。

 
25.「天の大時計」

 「北斗七星」を形づくっている大柄杓は、春になると北の空天高く舞い上がり、夏になると西に傾き、秋には地平線すれすれの所に行き、冬になると東の空に回ります。これは、多くの人が観察しやすい時刻での話です。「おおぐま座」が午後8時に子午線を通過するのは、5月の初めである。したがって、この時にいちばん高い位置にあることになる。
 ところで、星々は、北極星を中心におよそ24時間で時計の針と反対回りにひと回りしているので、1時間では約15度動いていることになる。このことと季節と北斗七星の位置関係をよく覚えておくと、北斗七星は「天の大時計」として利用できるのだ。でも、腹時計の方が正確かも知れない・・・(?!)

   

26.かわりゆく「北斗七星」

 おそらく。ほとんどの人が、今の「北斗七星」を見て、「美しい星の並びだ」と言うにちがいない。しかし、以前はこんなにきれいな「柄杓」の並び方をしていたわけではない。恒星は、そのそれぞれが{固有運動」と言って、好き勝手な方向に動いているのである。星と星との間が余りにも遠いので、100年そこらでは動いている様子を見いだすのは難しいが、10000年も経つとずいぶん動いているそうである。私たちが生きている間に見届けることができないのはちょっと残念であるが、今見えている星の並び方が、いちばん美しいと私は思っている。


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